その取り組みの一つに,
こども食堂があります。現在,毎月2回開かれており,地域から独立した貧困家庭の子や不登校の子,障害のある子供,生きづらさを抱えた子供,夕方にはたくさんの小学生でにぎわい,夜になると若者たちでにぎわうそうです。食事をともにすることで,ふだんの生活をかいま見たり,心の貧困に直面する子供たちとさらに出会っていければとのことでした。
本市においても,本年度から,
ひとり親家庭等の子供に対し食事の提供や学習支援を行う団体へ補助を行う,
ひとり親家庭等居場所づくり事業を開始しています。本年度は2カ所分を予算計上しており,公募・審査の結果,西区と安佐北区の団体が8月から事業を開始していると聞いております。
本市の
児童扶養手当の受給者数は,近年,減少の傾向にあるものの,10年前の平成17年より1,000人以上ふえております。
本事業は,子供の貧困が社会的な問題となっている中,
ひとり親家庭を初めとして,養育環境に課題のある家庭を支援するための取り組みとして,今後ますますその役割は重要になっていくと考えます。
そこでお伺いします。
ひとり親家庭等居場所づくり事業については,
実施箇所数の拡大を図る必要があると思いますが,
ひとり親家庭への支援についてどのように認識し,本事業に今後どのように取り組んでいかれるのか,当局のお考えをお聞かせください。
次に,待機児童の解消の取り組みについてお伺いいたします。
待機児童の解消は喫緊の課題で,9月2日に
厚生労働省から発表された資料によれば,全国の保育所の定員は,本年4月1日時点で263万人と,昨年に比べ,10万3000人増加させ,保育所の整備は進められておりますが,
待機児童数は2万3553人と,386人増加しています。本市においても,保育園の定員を昨年度に比べて702人増加させ,2万6635人としたものの,
待機児童数は95人増加して161人となりました。
本市としては,これまで,保育園の新設整備などにより
受け入れ枠を確保するとともに,各区に配置した
保育サービスアドバイザーによる保護者への情報提供などに取り組んでこられましたが,待機児童の解消には至っていません。引き続き,必要となる
受け入れ枠の確保などに取り組むとされておりますが,施設の新設等,ハード面の充実については限度があると思いますし,施設の新設等に伴い必要となる保育士の確保は依然として厳しい状況にあります。
このような状況の中で待機児童を解消していくためには,保育需要をどこまで詳細に分析し,できるだけ多くの対応策を考え,実現可能な施策を絞り出すことが必要と考えます。
まず,一つの施策として,定員にあきのある保育園を有効活用するための新たな取り組みが必要ではないでしょうか。本年4月の本市の状況を見ても,全市的には,
入園申し込み児童数,2万6100人を約500人上回る保育園定員を確保しています。こうしたあいている
受け入れ枠を保護者が利用できる仕組みが必要です。
例えば,千葉県流山市では,定員にあきのある保育園にバスで送迎を行う
送迎保育ステーション事業を実施しております。流山市の場合,駅前に
送迎保育ステーションを設置し,
ステーションと市内の保育園をバスで結びます。バスを利用できるのは,1歳以上で,自分の荷物を持つことができる子供です。
ステーションの利用時間は朝の7時から9時まで,夕方の4時から6時までです。料金は,1カ月2,000円です。本市が実施している
保育サービスアドバイザーによる利用調整も効果を上げていると思いますが,子供の送迎を行う保護者の立場からすると,希望する保育園の範囲が限られてきます。
そこでお尋ねします。
送迎保育ステーション事業がどれぐらいの都市で実施されており,流山市の利用状況はどのようになっているのでしょうか。また,
待機児童解消に向けて,本市においても,こうしたサービスを実施する必要があると思いますが,市のお考えをお聞かせください。
次に,住んでいる地域以外で子供を預けることも考えられると思います。職場内,または,勤務先の周辺で子供を預けられる環境整備も必要だと考えております。
国は,多様な就労形態に対応する
保育サービスの拡大を行い,仕事と子育てとを両立することを目的とし,
待機児童解消加速化プランを加速させ,より一層の保育の
受け皿整備をするため,企業主導型の保育事業と
ベビーシッター利用者支援事業をスタートさせました。これらの事業はどのような事業でしょうか。本市で取り組まれている企業はあるのでしょうか。地域枠もあり,従業員も安心して働くことができれば,会社にもメリットがあります。地域の会社が共同でつくることもできる,
企業主導型保育事業などを促進することも大切であると考えますが,市のお考えをお聞かせください。
次に,
こども医療費補助制度についてお伺いいたします。
2点質問させていただきます。
一つは,所得判定のあり方についてでございます。
来年1月から施行される
こども医療費補助制度において,
所得制限額や基準額の判定に用いるのは,子供の生計を維持する父母のうち,どちらか所得の高い一人の所得です。昨今,共働きの家庭もふえておりますが,共働きの家庭でも,どちらか所得の高い一人の所得で
所得制限等の判定が行われております。例えば,4人家族で,一人のみが所得を得ている家庭では,扶養人数が3人となるため,
所得制限額が646万円となり,仮に,647万円の所得を得ている場合には,この家族に制度の適用はございません。同じ4人家族で,夫婦がフルタイムで共働きをされている場合,扶養人数が二人のため,
所得制限額は608万円ですが,お一人の所得が607万円,もう一人の所得が606万円の場合は,家庭の所得を合算すると1213万円の所得を得ていても,所得の高い方お一人の所得により判定されるため,この家族には制度の適用があります。このように,共働きの家庭は,一人のみが所得を得ている家庭と比べ,500万円以上有利な状況もあり得ます。
このような状況は,決して公平とは言えないと思います。今後の制度の見直しにおいては,
所得制限等の判定に用いる所得は,家族の所得を合算したものを用いるように変更し,
所得制限額を共働きの合算額1213万円にすることで,より公平な制度に近づくと考えますが,いかがでしょうか。当局の考えを求めます。
もう一つは,対象年齢の拡大についてです。
来年1月から施行される
こども医療費補助制度の対象年齢は,ようやく,通院は小学校3年生まで,入院は中学校3年生に拡大されることとなりましたが,まだ不十分だと考えます。
児童福祉法は,児童について満18歳に満たない者と定義し,また,国及び
地方公共団体に対し,児童が家庭において心身ともに健やかに養育されるよう,児童の保護者を支援しなければならないと規定しています。この
児童福祉法の理念からすれば,18歳までの児童を養育する保護者への支援策の一つとして,
こども医療費補助制度の対象年齢の拡大を検討すべきと考えます。来年1月から施行の
こども医療費補助制度の対象年齢は学年で区切る制度となっていることなので,整合性を考えれば,入院,通院とも高校3年生まで拡大すべきです。特に,家庭所得の合算で430万円より少ない低所得の家庭の支援は急務であると考えます。当局の考えをお聞かせください。
次に,
指定管理者制度についてお伺いいたします。
本市では,平成18年度に
指定管理者制度を本格的に導入し,10年を経過したところでございます。現在,613の施設に導入され,公の施設の管理において,多様化する
市民ニーズへの効果的な,効率的な対応に寄与してきたものと考えられます。
制度導入当初は,どちらかというと,コストの縮減に重点が置かれていたようですが,現在では,コストの縮減よりも
市民サービスの向上に軸足が移ってきているという印象を受けます。
指定管理者制度は,住民の福祉を増進する目的を持って,その利用に供するための施設である公の施設について,
民間事業者等が有するノウハウを活用することにより,
市民サービスの質の向上を図っていくことで,施設の設置の目的を効果的に達成するために設けられた制度です。
民間事業者等に公の施設の管理を委ねるからには,
指定管理者が,本市の公の施設を適正に管理しているかどうかをしっかりとモニタリングし,問題があれば正すといった対応が重要であると思います。
ちょうど1年前になりますが,昨年の9月議会の
厚生委員会において,平成26年度の
指定管理者の
業務実施状況の評価等について説明があり,全体的な傾向として,平成26年度には,
労働基準法の遵守状況に関する自己点検の結果,多くの施設で不適正事例が判明し,これを反映したため,評価が下がっているとのことでした。本市の施設の
指定管理者に限らず,労働者の適正な労働条件を確保することは,いわば当然のことです。これが適正に確保できていないということは,あってはならないことだと思います。
そこでお尋ねいたします。
指定管理者が雇用する労働者の適正な労働条件の確保のために,市としてどのような対策をとっていますでしょうか。
指定管理者制度導入後10年が経過しました。この10年間でいろいろと見直しを図りながら進めてきたものと思いますが,今後も,
指定管理者制度を続けるのであれば,今以上に市民の立場に立ったサービスの促進や施設の運営が求められると思います。
先ほどの質問は,どちらかというと,
指定管理者の管理に問題があった場合に,これを是正するためにどのような対策をとっているかという視点ですが,逆に,
指定管理者のよい取り組みを全体に広め,市の施設全体がよりよい管理になるような仕組みを考えてみてはどうかと思います。
例えば,
福祉センターは全部で14施設あり,公募で6者が管理しております。どこも同じような内容の施設だと思いますが,そのうち4者が管理する施設は,いずれも利用者数の目標を達成できず,前年度よりも下がっているという状況の中,2者は利用者数の目標を達成できているという状況があります。これは,
指定管理者の何らかの
利用促進策の成果と考えられます。
そこでお尋ねいたします。
今後は,問題事例だけでなく,施設の利用促進につながった事例などのよい取り組みについても,しっかりと他の
指定管理者に周知することができるような
仕組みづくりをしてはどうかと考えていますが,いかがでしょうか。
次に,己斐の
まちづくりについてお伺いいたします。
まず,
アストラムラインの延伸についてです。昨年6月,
アストラムラインの西広島駅までの延伸の事業化が決定されました。この計画は,平成11年の新たな
公共交通体系づくりの基本計画の中で,既存交通の改善・機能強化の主要施策として打ち出されましたが,その後,公共事業の見直しを行う中で先送りされた経緯があります。我々,己斐の住民は,昨年の事業化の決定まで随分と長い時間待たされましたが,己斐の
まちづくりにとって核となる,待ちに待った事業であり,英断を下された市当局には心より敬意をあらわします。
さて,
アストラムラインの延伸については,今年度から事業推進に向けた取り組みが始まっていると伺っておりますが,現在の状況と今後の予定についてお聞かせください。
また,今年度は基本設計を行うと聞いておりますが,基本設計では,
JR西広島駅との接続についても検討しておく必要があると思います。
そこでお伺いしますが,基本設計では,具体的にはどのような内容を検討するのでしょうか,お聞かせください。
次に,
JR西広島駅
交通結節点整備事業についてです。
JR西広島駅は,1万8000人もの人々が日々利用する,本市の西の玄関口です。また,広電宮島線・市内電車,バスなどの多様な
公共交通機関に乗りかえることができるターミナル駅でもあります。将来は
アストラムラインも加わることになるため,その役割はますます重要となってまいります。しかしながら,現在は,
JR山陽本線で北と南に地区が分断され,自由に行き来できない状況にあり,また,駅そのものも
バリアフリー化されておらず,老朽化が進んでいるなど,交通拠点としては最も整備が立ちおくれていると言っても過言ではございません。
こうした地区の課題に対するため,市では,
南北自由通路の整備,南口広場の再整備など,
交通結節点整備が進められております。
JR西広島駅の
交通結節点整備について,現在の状況と今後の予定をお聞かせください。
次に,JR新井口駅の
バリアフリー化についてお伺いいたします。
JR駅の
バリアフリー化については,関係法令が施行されて以降,高齢者や障害者等が旅客施設を利用する際の利便性及び安全性の向上を目的として,本市の市内各所の駅で取り組みが進められてきております。しかしながら,アルパークや
広島サンプラザなどの集客施設にもペデストリアンデッキで接続され,1日当たり1万5000人が利用するJR新井口駅においては,下り線の
エレベーターが設置されているのみで,
バリアフリー化は完了していない状況です。これに対し,当駅を利用される市民の方々から,
バリアフリー化の早期完了を求める声が私のもとにも数多く寄せられており,利用者のニーズは非常に高いものがあると感じております。
そこでお伺いいたします。
JR新井口駅上り線の
エレベーター設置について,現在の検討状況をお聞かせください。
最後に,平和行政の推進についてでございます。
8月21日より,市民連合の4人は,シンガポール,
メルボルン市,シドニー市を訪れ,都市政策,教育について,公共交通の取り組み,
地方公務員制度,観光政策について調査を行ってまいりました。
もう一つの大切な目的として,
平和首長会議の会長都市でもあることから,訪問した
メルボルンとシドニー市は
平和首長会議に加盟していただいており,ことし5月27日に
オバマ米国大統領が広島を訪れ,核なき世界を主導する責任にも言及されたことにも触れた松井市長からの親書を手渡し,核兵器廃絶に向けた取り組みに,より一層の協力をいただくよう要請いたしました。
メルボルン大学では,広島・長崎講座の開設に向けた取り組みの協力依頼を行い,核廃絶の重要性を共有することができました。
帰国後,大橋先生からメールをいただいておりますので,一文紹介させていただきます。
広島・長崎講座のリンク,早速拝見させていただきました,大変充実した内容であり,豪州で学ぶ学生たちにもぜひ伝えたい内容です,それぞれの参加大学がどのように広島での研修をカリキュラムに取り入れているかを参考にさせていただき,早速,次の学部会議のときに提案するつもりです,どれだけの学部のサポートが得られるかどうか,誰が担当し,どのような形で行うか,他の学部と合同で取り組むかなど,さまざまなハードルがありそうですが,実現に向けて進めていきたいと思っております,広島・長崎講座について御紹介いただき,改めて感謝いたします,という内容です。
そこでお伺いいたします。
広島・長崎講座の取り組みの現状は,どのような状況でしょうか。広島の大学でもまだ導入されていない大学もあるとのことですが,広島・長崎講座の取り組みにより,広島の大学生の誰もが平和について考える環境づくりを整えることが必要と考えます。
未認定の大学に対しては,今後どのように働きかけをされようとお考えでしょうか。
また,広島・長崎講座開設大学では,今後,原爆展等の被爆の実相を伝える取り組みの実施に発展させていけばよいと考えますが,どのようにお考えでしょうか,お考えをお聞かせください。
私からの質問を終わらせていただきます。
最後まで御清聴いただきまして,まことにありがとうございます。(拍手)
○永田雅紀 議長 市長。
〔松井一實市長登壇〕
◎松井一實 市長 山本議員からの御質問にお答えします。
ひとり親家庭への支援についての御質問がございました。
本市の
児童扶養手当受給者は,本年3月末現在9,600人で,この10年間で1,153人,13.6%増加しております。また,
ひとり親家庭は,親が子育てと生計維持という役割を一人で担っており,健康面の不安や子供の養育など,日常生活を営む上でさまざまな困難に直面しております。
このように,
ひとり親家庭は,経済面,生活面,双方において大変厳しい状況にあることから,
ひとり親家庭の親と子供が将来に希望を持ち,安心して生活を営むことができるよう,生活全般にわたるきめ細かな支援が必要であると考えております。
このため,本市では,広島市子ども・子育て支援事業計画において,
ひとり親家庭への支援を重点施策に掲げ,さまざまな支援施策を展開しているところであります。
本年度においては,生活支援の充実として,
ひとり親家庭の児童生徒の学習支援事業の開催場所等の拡充を行ったほか,就労相談・支援の充実として,
ひとり親家庭の親の経済的自立に効果的な資格取得に対する給付金の上限額等の拡充や,就職に有利な資格の取得を目指す
ひとり親家庭の親に対する貸付金事業を新たに実施いたしました。また,経済的支援の充実として,
児童扶養手当の第2子以降の加算額を増額しております。
議員から御質問のあった,
ひとり親家庭等居場所づくり事業については,
ひとり親家庭の子供が心身ともに健やかに成長できるような環境を整備することを目的に,本年8月から,西区と安佐北区の2カ所で事業を開始しております。
本事業の実施に当たっては,ノウハウを持った民間団体を活用することとして,本年度については,応募のあった4団体のうち,2団体を選定したところであります。事業開始から1カ月経過したところですけれども,学習支援や食事支援等について,利用者からおおむね高い評価をいただいているところです。
本市としては,今後もこうした実施団体の発掘に取り組むとともに,
ひとり親家庭の精緻な実態把握を行った上で,本事業の拡充も含め,より多くの
ひとり親家庭への手厚い支援を行っていきたいと考えております。
その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。
○永田雅紀 議長
こども未来局長。
◎滝川卓男
こども未来局長 保育園待機児童の解消についてお答えいたします。
まず,
送迎保育ステーション事業がどれくらいの都市で実施されており,流山市での利用状況はどうか。また,
待機児童解消に向けて,本市でも実施する必要があると思うがどうかについてであります。
議員御提案の
送迎保育ステーション事業については,
厚生労働省によると,平成27年度においては,13市区町村,17カ所で実施されています。そのうち,流山市では2カ所で実施しており,150人程度の子供が利用しています。
この事業は,あきのある既存保育園の有効活用により,
待機児童解消につなげるという効果がある一方,事業を実施している自治体の中には,バスに乗せる際の安全確保のため,対象を3歳以上の子供に限ることや,保護者が担任保育士と話す機会が必要なため,定期的な保育園の訪問を利用条件とすることに負担を感じるといった課題があると聞いています。
したがいまして,事業としてどういった対象者に効果があるのか,また,各地域の実情に応じて有効に機能するかなどを見きわめながら,私立保育園協会等関係団体とも協議し,事業実施の可能性について検討してまいりたいと考えています。
次に,企業主導型の保育事業と
ベビーシッター利用者支援事業はどのような事業か。本市で取り組まれている企業はあるのかについてであります。
企業主導型保育事業及び企業主導型
ベビーシッター利用者支援事業は,多様な就労形態に対応する
保育サービスの拡大を行い,保育園待機児童の解消を図り,仕事と子育てとの両立に資することを目的に平成28年度に創設され,事業主拠出金を活用して,国が施設等の設置者に対し,直接,助成を行う事業です。
まず,
企業主導型保育事業については,事業主がみずから事業所内保育施設を設置する場合などにおいて,市町村による計画的整備とは別枠で整備が可能であり,設置や利用の際に市町村の認可等を必要としないものです。利用対象は,従業員の子供のみとすることもできますが,地域住民の子供も受け入れて運営することが可能となっています。また,運営費や施設整備費については,国が公募により選定した団体である公益財団法人児童育成協会から,小規模保育事業等の公定価格や,認可保育園の施設整備と同水準の助成が行われることになっています。本市では,本年6月30日を期限として行われた第1次募集において,1事業所が助成の決定を受けています。
次に,企業主導型
ベビーシッター利用者支援事業については,国が公募により選定した団体である公益社団法人全国
保育サービス協会が事業主と連携して,その事業主の従業員がベビーシッター派遣サービスを利用した場合に,その従業員が支払う利用料の一部または全部を助成する事業です。
本市では,この実施に当たり,同協会に認定されたベビーシッター事業者がいないことから,現時点では,この事業を利用している事業所はございません。
最後に,
企業主導型保育事業などの促進も大切であると考えるが,市の考えはどうかについてであります。
議員御指摘の
企業主導型保育事業については,認可の事業所内保育事業の職員配置や設備等と同様の基準であり,待機児童の解消に向けて有効であるとともに,出産後も働くことができる職場環境を整備することにより,女性の活躍推進などにつながるものと考えています。
こうしたことから,現在,事業所内保育施設の設置に関する相談があった場合には,市が認可を行う制度とあわせて,
企業主導型保育事業に関する情報の提供を行っており,今後,本市に所在する企業や地域の経済団体に対し,事業の周知を図りたいと考えています。
あわせて,企業主導型
ベビーシッター利用者支援事業についても,当該事業を実施するベビーシッター事業者の本市における認定状況を踏まえ,利用についての周知を図りたいと考えています。
以上でございます。
○永田雅紀 議長
企画総務局長。
◎岡村清治
企画総務局長 指定管理者制度についての2点の御質問がございました。
まず,
指定管理者が雇用する労働者の適正な労働条件を確保するために,市としてどのような対策をとっているのかというお尋ねでございます。
本市では,
指定管理者が雇用する労働者の適正な労働条件を確保するため,基本協定書に,
労働基準法,最低賃金法,その他労働者の使用に関する関係法令を遵守するよう明示しております。
これに加え,平成25年度からは,年度末の事業報告の際に
労働基準法等の遵守状況を報告させ,また,市職員による実地検査を行い,これらにより,雇用契約が適正に締結されているか,労働時間の管理等が適正に行われているかを確認しております。
こうした中,平成25年度以降,本市の
指定管理者から,時間外労働に関する賃金の一部不払い,賃金台帳への労働時間数,時間外労働時間数等の法定事項の記載漏れなど,労働基準監督署から是正勧告を受けたとの報告が相次ぎました。このため,
労働基準法等の遵守に当たって,
指定管理者が特に注意すべき事項をまとめた労働条件チェックリストを作成し,平成26年12月から
指定管理者に自己点検を義務づけ,四半期ごとに結果報告を求めております。
さらに,昨年度から,本市の施設所管課の職員や,
指定管理者となっている本市の指導調整団体の職員を対象に,
労働基準法等の基礎知識や,実地調査,自己点検のポイントなどを内容とする研修を実施しております。引き続き,これらの取り組みを継続して進めることで,適正な労働条件の確保に努めてまいりたいと考えております。
次に,今後は,問題事例だけではなくて,施設の利用促進につながった事例のよい取り組みについてもしっかりと他の
指定管理者に周知することができるような
仕組みづくりをしてはどうかという御提案でございます。
議員御提案のように,本市の施設を管理する
指定管理者が,施設の利用を促進するために創意工夫を凝らした取り組みを行い,成果を上げた事例を,他の
指定管理者に周知することは,施設の利用を促進することや利用者のサービスの向上につながり得るものであり,意義のあることと考えております。
本市では,今年度実施した平成27年度の
業務実施状況の評価を行う中で,前年度と比較して,利用者数が増加した施設を対象に,施設の利用を促進するために
指定管理者が取り組んだ内容を取りまとめました。
今後は,こうした成果を上げた取り組み事例を,各施設の所管課を通して全ての施設の
指定管理者に周知し,本市の公の施設のサービスの向上につなげていきたいと考えております。
以上でございます。
○永田雅紀 議長
健康福祉局長。
◎川添泰宏
健康福祉局長 こども医療費補助制度につきまして,その
所得制限等の判定において,主たる生計者のみの所得で判定しているが,公平性に欠けるので,世帯の合計所得で判定するよう見直すべきではないか。それと,低所得の世帯を対象に,対象年齢を高校3年生までさらに拡大すべきではないかとのお尋ねでございます。
こども医療費補助制度について,現在行っている,主たる生計者の所得による所得判定は,平成8年に,より多くの世帯を制度の対象とするために,それまで行っていました,世帯全員の合計所得による所得判定を見直して以来のものでございますが,当時と比べまして女性の社会進出等が一般化している中で,公平性を重視した観点での判定方法の見直しも一つの考え方であると思います。しかし,世帯全員の合計所得で判定することにした場合には,所得制限の設定水準にもよりますが,女性の社会進出を抑制するおそれもあることから,慎重な検討を要するものと考えております。
また,対象年齢につきましては,より多くの子供の健全な発育を促進するため,平成29年1月から,入院は中学3年生まで,通院は小学3年生まで対象拡大を行うこととしていますが,まずは,本年3月に可決いただいたこの制度改正について,来年1月から円滑に施行した上で,施行実態等の調査を行い,関係者の意見も伺いながら,他都市の状況,本市の子育て施策や財政状況等を見る中で慎重に検討していきたいと考えております。
以上でございます。
○永田雅紀 議長
道路交通局長。
◎向井隆一
道路交通局長 まず,己斐の
まちづくりについて,3点の御質問に順次お答えをいたします。
まず,
アストラムラインの延伸について,現在の状況と今後の予定はどうかについてでございます。
アストラムラインの延伸,新交通西風新都線につきましては,昨年6月に事業化の判断を行い,平成30年代初頭の事業着手に向け,今年度から調査・設計に取り組んでいるところでございます。
具体的には,本年6月末に基本設計に着手し,現在,既存の地形図をもとに,最も合理的なルートの概略を定める作業を進めており,今後は,基本設計で得られたルート周辺の地形や地盤高などを把握するための航空レーザー測量を実施する予定でございます。
来年度以降は,航空レーザー測量の成果をもとに,ルート上の高架橋や駅舎等の構造検討を含む軌道の予備設計を行い,環境影響評価や都市計画法,軌道法の手続を順次進めてまいります。
次に,基本設計では,
JR西広島駅との接続についても検討する必要があると思うが,具体的にはどのような内容を検討するのかについてでございます。
基本設計では,最も合理的なルートの概略を定めるため,経済性,施工性,走行性などを踏まえ,軌道の平面線形や縦断線形,駅位置などの概略を検討いたします。
また,議員御指摘の
JR西広島駅との接続につきましては,現在事業中の南口広場の再整備との整合を図る必要があることから,
アストラムラインの駅構造や橋脚位置などの検討を,この基本設計の中であわせて行うこととしております。
最後に,
JR西広島駅
交通結節点整備について,現在の状況と今後の予定はどうかについてでございます。
本市では,
JR西広島駅周辺地区において,
公共交通機関相互の乗りかえ利便性の向上などを図るため,
南北自由通路の整備や南口広場の再整備などの
交通結節点整備に取り組んでいるところでございます。
このうち,
南北自由通路につきましては,鉄道上での施工となることから,JR西日本に実施設計や工事を委託することとしており,現在は,そのために必要となる基本合意書の締結に向けた協議・調整を行っております。今年度中に基本合意書を締結し,平成29年度に工事協定書を締結した上で,実施設計や工事に着手してまいりたいと考えております。
また,南口広場の再整備につきましては,
アストラムライン駅の整備時に手戻りが生じることのない広場レイアウトとするため,今年度,
アストラムラインの基本設計と調整を図りながら,既存の基本設計を修正することとしております。
JR西広島駅の
交通結節点整備につきましては,今後とも,JR西日本などの関係機関と十分に調整を図り,平成30年代初頭の完成を目指し,着実に取り組んでまいります。
次に,JR新井口駅
バリアフリー化についての御質問がございました。
上り線の
エレベーター設置について,現在の検討状況はどうかについてお答えをいたします。
JR駅の
バリアフリー化につきましては,高齢者,障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律などに基づき,1日当たりの利用者数が3,000人以上の駅を対象とし,整備目標年度の平成32年度までに,国,
地方公共団体,交通事業者が一体となって取り組むものでございます。
JR新井口駅におきましては,平成19年度に基本構想を作成し,当該年度から翌年度にかけて,JR西日本が下り線ホームの
エレベーターの設置などを実施しております。残る上り線ホームの
エレベーターの設置につきましては,駅構内に
エレベーターを設置する空間が確保できないという大きな課題がございます。このため,上り線ホームに接しております市道の北側の民地を買収した上で,市道の線形を北側にシフトすることにより生じた空間を利用し,駅2階のコンコースと上り線ホームを結ぶ連絡通路及び
エレベーターを設置する案につきまして,関係者間で協議・調整を行っているところでございます。
また,現在は階段のみとなってございます市道上から駅2階改札口へのアクセスにつきましても,あわせて改善するよう検討をしております。
引き続き,関係者と協議・調整を進め,できるだけ早期に上り線に
エレベーターが設置できるよう取り組んでいきたいと考えております。
以上でございます。
○永田雅紀 議長 市民局長。
◎谷本睦志 市民局長 平和行政の推進について,まず,広島・長崎講座の認定状況についてです。
本市では,被爆の実相や被爆者の核兵器廃絶への願いを若い世代に伝えていくため,広く国内外の大学及び大学院の講座で,広島及び長崎における原子爆弾による被害を学問の対象として取り上げ,被爆体験の持つ意味を学術的に考察・検証し,伝えるものを広島・長崎講座として認定しています。これまでに,国内48大学,海外21大学,計69大学の講座を広島・長崎講座として認定しています。
次に,広島・長崎講座は,広島の大学で未認定の大学に対して,今後どのように働きかけをしようとしているのかとの御質問がございます。
広島・長崎講座の普及に当たっては,ホームページを設け,講座の意義,概要,認定した大学のシラバス等を掲載しているほか,職員の海外出張,大学関係者等の広島訪問,広島での平和関連の学会開催などの機会を捉えて,国内外の大学に講座開設を要請しています。
こうした中,広島県内の大学では,これまで,10大学で広島・長崎講座の認定を行っていますが,議員御指摘のとおり,広島の大学生の誰もが平和について考える環境づくりを整えることは必要だと考えます。今後,未設置の大学に対しては,開設を直接働きかけていきたいと考えています。
次に,認定大学では,原爆展等の被爆の実相を伝える取り組みの実施に発展させてはどうかとの御質問がございました。
広島・長崎講座に認定した大学の中には,米国のデュポール大学やアメリカン大学のように,平和記念資料館が実施している海外原爆展の展示会場として,その開催に協力していただくなど,被爆の実相を伝える他の取り組みとの連携につながった事例もあります。
認定大学には,平和記念資料館が行っている原爆ポスターの貸し出しや,ウェブ会議システムを活用した被爆体験証言等の事業もあわせて紹介し,原爆展等の被爆の実相を広め,伝える取り組みが効果的に展開できるように働きかけてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○永田雅紀 議長 2番山本議員。
◆2番(
山本昌宏議員) それぞれ答弁いただきまして,ありがとうございました。
何点かちょっと,要望ということで,保育園の待機児童の解消についてなんですけど,やはり
送迎保育ステーション事業ですね,これ,一つのソフト的なサービス,保育需要を埋めるためのサービスの案でございますので,市のほうでいろんな案を考えていただいて,可能かどうか,どうすればできるのかという視点に立っていただいて詰めていただければと考えております。
あと,
指定管理者についてなんですけど,やはり施設の利用促進につながりますので,ぜひ,いい施設は,例えば,表彰するとか,引き続き指定管理できるような制度をつくっていただくとか,そういうことも考えて取り組んでいただければと要望をさせていただきまして,私からの質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○永田雅紀 議長 次に,49番木山徳和議員。
〔49番木山徳和議員登壇〕(拍手)
◆49番(木山徳和議員) おはようございます。
自由民主党立風会を代表して質問を行います。
8月22日,世界のスポーツの祭典も終わり,日本チームは41個のメダルを獲得いたしました。中でも,柔道競技においては,全階級でのメダル獲得は大きな評価をされております。また,広島出身の金藤選手が金メダル,山縣選手が銀メダルを獲得され,県民,市民に大きな感動と勇気を与えていただきました。特に,私の郷里であります庄原出身の金藤選手の活躍は大変うれしく思っております。
今回出場されました選手の皆さんには,4年後の東京大会に向けて大きな期待が寄せられております。
また,前回,日本で開催された,1964年の東京オリンピックには,広島出身の選手が多く出場されております。その選手の皆さんは,現在のグリーンアリーナ,もとの県立体育館を初め,周辺施設,武道館,屋内プールなどを利用し,技術の向上を目指し,努力をされた結果,東京オリンピック,メキシコオリンピックに出場され,活躍され,金メダリストになられた中谷,猫田,西本,川口,田口選手,そして,長沼監督のもと,日本サッカーチームが銅メダルを獲得し,広島のスポーツを全世界にアピールをしていただきました。
オリンピックの舞台で活躍した多くの選手が学生時代に利用した,その当時のスポーツ施設は,現在,県が全面的にリニューアルし,グリーンアリーナとして整備されております。
その施設を利用している小・中学校の児童生徒の皆さんが,全国競技大会において常に優秀な成績をおさめております。そして,本年度,主催地区高校インターハイにおいても,全ての競技において優秀な成績を残されました。引き続き,広島スポーツ王国を目指して,スポーツの振興を図っていくためにも,担当局におかれましては,さらなる御支援を強く要望いたします。
一方,先般,25年ぶりにリーグ優勝を果たした広島東洋カープが本拠地として利用し,また,社会人野球,高校野球,少年野球など,広く利用されておりました旧市民球場は,年々老朽化が進み,カープの選手たちからも,他球場と比べて施設環境なども非常に古く,新設するべきとの意見が出るなど,新球場に向けた声も広まり,その結果,現在のマツダスタジアムが完成されました。
当時,新球場を建設するに当たって,議会内に全議員による新広島市民球場建設促進議員連盟が設置され,当時,柳坪会長を中心に協議が行われ,新球場が建設,完成いたしました。
完成後の旧市民球場の利用において,議会でも論議が交わされた後,当時,解体するに当たり,その跡地利用計画が示されましたが,近隣の中央部商店街振興組合を初め多くの地域団体から示された利用計画は,平和公園の延長ではなく,広島市という中四国の中枢都市にあって,州都となるべく,都市機能を中心に,にぎわいの創出,都市インフラ,新しい文化創造に寄与するものを望んでいるとの意見で,利用計画の修正を求める陳情が,当時の市長,議長に提出されました。
旧市民球場跡地に携われた,先輩議員の方々も既に引退されており,意見がどんどん風化しているように思います。平成17年より,旧市民球場跡地に関する利用計画を協議し始め,本年で11年近く経過いたしました。また,このたび,県民栄誉賞を受賞したカープの黒田選手,新井選手も,旧市民球場のこの場で,長年にわたり活躍され,本年はリーグ優勝の立て役者となられました。
また,サンフレッチェの浅野選手は,旧市民球場跡地でプレーできることを望んでおりますというコメントを残し,海外に移籍いたしました。
このように,この旧市民球場という場所は,多くのスポーツ関係の皆さんにとってスポーツの聖地であり,思い出深い大切な場所であります。
そこでお尋ねいたしますが,旧市民球場跡地活用に関し,広島市が調査,検討などに要した経費は約3300万円に上っておりますが,もとの跡地利用計画を白紙に戻された理由と,この旧市民球場跡地委員会及びサッカースタジアム検討協議会を設置された,それぞれの趣旨をお聞かせください。
この二つの協議会での結論は,旧市民球場跡地委員会では,球場跡地にふさわしい機能の一つとして,サッカースタジアムを含むスポーツ複合型機能が選ばれ,サッカースタジアム検討協議会では,広島みなと公園と旧市民球場跡地がサッカースタジアムの候補地として選ばれており,いずれも,旧市民球場跡地が候補とされておることから,旧市民球場跡地にサッカースタジアムを建設し,中心市街地として機能でき得る跡地利用を進めるべきとの陳情や要望が多くの近隣の町内会から提出されており,早々に実施すべきと思いますが,今後どのように考えておられるのか,市長の御所見をお伺いいたします。
また,広島市は,サッカースタジアム候補地として,旧市民球場跡地より広島みなと公園のほうがふさわしいと発言された理由をいま一度お尋ねいたします。
また,私が,先般,総務委員会で,深山会頭の呼びかけに応じて,早々に4者会談を開催すべきと申し上げたのは,サッカースタジアム検討協議会において,スタジアム候補地として広島みなと公園,旧市民球場跡地の2案が決まったならば,早々に4者においてどちらかに決め,早々に実現すべきとの意見であり,第3の候補地を求めるための4者会談を求めたものではありません。
最後に,早期にサッカースタジアムの建設を実現するため,広島市議会内にサッカースタジアム建設促進議員連盟を設置することを提案して,私の質問を終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
○永田雅紀 議長 市長。
〔松井一實市長登壇〕
◎松井一實 市長 木山議員からの御質問にお答えします。
サッカースタジアム建設及び旧市民球場跡地の活用方策についてのうち,旧市民球場跡地にサッカースタジアムを早々に建設すべきとの御質問がございました。
私は,市長就任以来,旧市民球場跡地を中心市街地にふさわしい跡地利用として機能させるためにどのような整備をすべきかについて,終始一貫取り組んできているところであります。
そういう視点で,これまでの経緯を振り返ってみますと,旧市民球場跡地の活用については,平成23年の10月に設置いたしました旧広島市民球場跡地委員会が平成25年2月に取りまとめた最終報告で,球場跡地の活用イメージとして,文化芸術機能,緑地広場機能,スポーツ複合型機能の三つの機能が記載されておりました。
しかし,そのうち,スポーツ複合型機能については意見が分かれたため,引き続き検討の対象とすることとされていたことから,同年3月,25年3月に,本市が策定した旧市民球場跡地の活用方策においては,当時,立ち上げが予定されていたサッカースタジアム検討協議会の議論を経た上でなければ,その具体像を確定することが困難な状況にあったために,検討の対象には含めないものとしておりました。
したがって,平成27年の1月に活用方策の具体的なイメージをお示しするために公表した,旧市民球場跡地の空間づくりのイメージにおいても,文化芸術機能と緑地広場機能の二つの機能からなるものとしておりました。
一方,サッカースタジアムの検討については,平成25年6月にサッカースタジアム検討協議会を立ち上げ,その後,県,市,商工会議所の作業部会での検討成果を踏まえて,昨年の7月,私,知事,商工会議所会頭の3者会談において,旧市民球場跡地は,狭隘な敷地,割高な建設費,多機能化・複合開発の困難さなどの課題があり,広島みなと公園を優位といたしました。
しかし,サンフレッチェ広島から旧市民球場跡地にサッカースタジアムを整備する独自案が発表され,サンフレッチェ広島を初めとする方々の意見にも十分配慮した上で,処理方針のめどをつけたいという思いから,事務的な事前調整をこなした上で,8月10日に3者とサンフレッチェ広島会長の4者による意見交換が実現いたしました。
さらに,9月14日の2回目の4者の意見交換において,三つの候補地,すなわち,中央公園広場,旧市民球場跡地及び広島みなと公園を4者が協力して検討していくということになったものであります。
私としては,旧市民球場跡地についての整備方針を早急に固めていくためにも,どのような新たなサッカースタジアムをどこに建設するかについて3者で協議し,サンフレッチェ広島の協力を得て,できるだけ早く意見の集約を図っていきたいと考えております。
その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。
○永田雅紀 議長 市民局長。
◎谷本睦志 市民局長 サッカースタジアム検討協議会を設置した趣旨はどうかとの御質問がございました。
そもそも,平成25年6月に設置したサッカースタジアム検討協議会は,県サッカー協会,県,市及び商工会議所が,それぞれ推薦する委員が,個人の立場でサッカースタジアムのあるべき姿を議論し,サッカースタジアム整備に係る課題への具体的かつ実践的な解決策を取りまとめ,行政や経済界へ提案するためのものであり,旧市民球場跡地検討委員会の報告書の中で,引き続き検討するとされていたスポーツ複合型機能を検討するためのものではございません。
次に,建設候補地として,旧市民球場跡地より広島みなと公園がふさわしいとした理由は何かとの御質問がありました。
あくまで,旧市民球場跡地と広島みなと公園の二つの候補地の検討においての比較ということになりますが,サッカースタジアムの建設候補地については,昨年7月の県,市,商工会議所の3者会談において,旧市民球場跡地については,敷地が狭隘で,敷地いっぱいにスタジアムを配置することになるため,観客の滞留場所や動線確保が困難で,一般の歩行者の通行にも支障が生じること。建物の高さ制限があり,スタジアムの整備に当たっては掘り込みが必要になることから,建設費が割高になること。また,水道管など,地下埋設施設の移設が必要になること。都市公園法の制約もあり,多機能化・複合開発が困難であることなどの課題もあり,ということでありまして,一方で,広島みなと公園につきましては,交通対策などに課題があるものの,複合施設の併設が可能で,
まちづくりの観点からも優位という意見で,3者で一致していたものです。
なお,先ほど,市長が御答弁申し上げたとおり,今後は,この二つの候補地の比較検討ということではなく,中央公園を含む三つの候補地について3者で検討し,サンフレッチェも協力をしていただくということになっております。
以上でございます。
○永田雅紀 議長
都市整備局長。
◎宮原慎
都市整備局長 サッカースタジアムの関係の御質問のうち,もとの跡地利用計画を白紙に戻された理由は何か。また,旧市民球場跡地委員会を設置し,改めて跡地活用の方策を検討されようとした趣旨は何かということについて御答弁いたします。
旧市民球場跡地の活用に関する,松井市長就任前の状況でございますが,平成20年9月に公表した現球場跡地利用計画の基本方針(たたき台)をベースとして,平成21年1月に,現球場(広島市民球場)跡地利用計画を策定し,具体化に向けた検討を進めておりました。
この利用計画を具体化するための経費を,平成21年度当初予算に計上したところ,審議の過程において全額削除され,平成21年度9月補正予算で再計上したものの,一部認められず,平成22年度当初予算で認められたところでございます。
その後,緑地広場の整備に係る工事を行うための経費については,平成23年度当初予算の審議の過程において,政策的経費は,新たに選出される市長の判断のもとに計上すべきものである,とりわけ,旧市民球場跡地の活用については,今後の広島市の都市づくりを行う上で大変重要な課題である,しかも,議会,市民等に十分説明がなされておらず,当然,合意も得られていないとの理由で,議会から全額削除する修正案が提出,可決されたため,認められなかったところでございます。
このような状況であったことから,改めて,跡地利用についての考え方を整理し,議会に提案するために,新たに,地元町内会,経済界など,幅広く各界各層を代表する各種団体等からの推薦を受けた者からなる,旧市民球場跡地委員会を平成23年10月に設置したものでございます。
以上でございます。
○永田雅紀 議長 49番木山議員。
◆49番(木山徳和議員) ありがとうございます。
それでは,ちょっと2点ほど再質問をさせていただきます。
先ほどの,局長のほうから答弁いただきました,いわゆる,白紙にした理由ということの中で,我々,恐らく,この議員の中にも,大多数の方々たくさんおられますけれども,あのときのいろいろ論議した形の中の焦点は,やはりなぜ市民球場を壊すかということで,それは,壊すに当たっては,あの市民球場に対する市民の思いがあったその建物であり,それを考えるのに,市民の方々の考え方もお聞きして,また,その当時のカープの選手,OBの方々の意見もありましたけれども,そういう方々の意見を聞かせていただいて,やはりあの球場を崩すには,次の,いわゆる,利用計画が決定すれば,その市民球場を解体することを許可しようではないかということで,そういう理由で,大半の方が論議をして,前市長のときには,結局,そういう状況の中で,最終的には,恐らくや当局も御存じと思いますけれども,いわゆる,商工会議所が,その跡地に対して,新しく移転をして,そして,周辺のバスセンター,その周辺の施設と一緒にそれを整備しようということで,それが決まって,その案が決まって,旧市民球場を解体したんでありました。
その後,ただ,新しい市長になられて,それを変更されるということは,それは我々も同意したことですから,何の意見もございませんけれども,しかしながら,先ほど,私が申し上げましたように,近隣のそれぞれの,いわゆる周辺の町内会なり,それぞれの意見の中から,やはり多くの方々は,平和公園の延長だけではいかんと。ということは,二つの公園をそこへ持ってきて,大きな広場だけをつくるのがいかがなもんかということで,私はそういうふうにあったというふうに思っております。
いろいろと先ほど話がありましたけれども,結局,最終的には,跡地委員会にしても,そして,サッカースタジアム検討協議会にしても,こうやって時が過ぎると,その方々を,いろいろな意味で代表者を出して意見を聞いたというふうに申されておりますけれども,最終的には,その委員会の意見を参考にしただけで,最終的には,当局のほうでそれを進めるんだというふうな,そういう実施方法に持っていかれているその状況に対して,非常に私は疑問を持っております。
やはりせっかく皆さん方が提案されて,我々議員がその費用をちゃんと了解して,それを進めた委員会ですから,提案したのが我々議員であるならば,そりゃ行政側も,多少なりともそういう前進的な考え方で持っていかれてもいいですけれども,自分たちが設置して,そして,自分たちが我々議員に了解得て進めたそれぞれの委員会ですから,そこで決まったことは,ある程度,それを重要視して,それを我々議会と一緒に進むべきことが,これが,私は方策であろうというふうに思いますので,その点について,もし答弁があれば聞かせていただきたいと思います。
そして,もう1点は,先ほど,2案で,サッカースタジアム検討協議会の中で,みなと公園と旧市民球場ということで,それを対比していただいて,先ほど,局長のほうからみなと公園がというふうに申されておりますけれども,私もことし宇品の花火大会に行きましたけれども,私は千田町に住んでおりますけれども,開催が終わって,約1時間以上,それも,相当,私なりに混雑を考えながら,途中まで歩いて,途中から車で帰りましたけれども,宇品から,私の広島の,いわゆる千田町ですけれども,1時間以上かかるんですよ。歩いたわけじゃないですよ。途中まで歩いて,車が入れないから。だから,そういう状況を考えた場合には,ちょっと私は,今のそういう部分での行政側の判断に多少疑問を持ってます。
しかしながら,結局,最終的には,質問として答えていただきたいのは,そういう状況の中でみなと公園がより有利であるという,そういう結果を出した後に,サンフレッチェのほうが,旧市民球場にということで,そのサンフレッチェ側が実費で建設をしたいという,そういう,我々もびっくりしたような案が出ましたけれども,今,国においては,地方創生という,そういう,実施する上において,非常に国も,そして,地方行政も一緒になって地方創生という,そういう状況を進めておるときに,せっかくサンフレッチェからのこういう案があったものを,もう少し前向きに考えて私は進めるべきではないかというふうに思いますので,その点を2点ほど再質問させていただきたいと思います。
○永田雅紀 議長 市民局長。
◎谷本睦志 市民局長 まず,提案は,私,サッカースタジアムの関係をお答えしますけれども,検討協議会のほうをお答えしますが,提案は重視すべきではないかという一つ御質問ございましたが,サッカースタジアム検討協議会から二つの候補地ということで,広島みなと公園と旧市民球場跡地というところで提案がございまして,それについて,ずっと,県,市,商工会議所の3者で検討してきておりますので,当然,それは提言を踏まえたものでございますし,そうした中で,サンフレッチェのほうから,新たな,旧市民球場跡地への独自提案ということがございまして,そうする中で,そういう情勢の変化の中で,やはりこの二つの候補地ではという議論になったときに,検討協議会においてこの二つの候補地の次といいますか,三つの候補地の一つでありました中央公園広場について加えて,この三つについて検討しましょうということにしておりますので,それは,やはりサッカースタジアム検討協議会での検討経過を踏まえて,そうしたときに,二つで難しくなったときに,次のところというときに,中央公園広場を加えるというのが,検討協議会の経過を踏まえたものというふうに判断して,三つにしましょうということで3者で合意しまして,それは,サンフレッチェ広島のほうも,やはり中央公園広場でという提案をいただいておりますので,それができるかどうかについて,今後3者で検討していこうということであります。
それから,サンフレッチェの関係で,せっかく提案があるんだから,それも十分考慮してということですけれども,そういう意味では,これまで,4者会談を開くまで,サンフレッチェといろいろ事務的なやりとりもし,サンフレッチェの独自案ではなかなかそういう形での実施は難しいのではないかといろいろな議論もしてまいりましたけれども,この4者会談を行うに当たっては,サンフレッチェ広島のほうも,この3者と一緒に協力して検討していきましょうということにしておりますので,それは,サンフレッチェの御意見も聞きながら,3者でサッカースタジアムについて検討を進めていくということになるというふうに考えております。
以上です。
○永田雅紀 議長
都市整備局長。
◎宮原慎
都市整備局長 旧市民球場跡地につきましては,これ,先ほども答弁させていただいたところもございますが,平成23年10月に,旧広島市民球場跡地委員会を設置いたしまして,その後,1年3カ月,計12回にわたりまして十分な議論を重ねていただいた結果,それを受けまして,市としても取りまとめを行っているということでございます。
また,旧広島市民球場跡地につきましては,現状におきまして,サッカースタジアムの候補地の一つとなっておりますことから,この候補地の決定のプロセスを見きわめながら,引き続き取り組んでまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
○永田雅紀 議長 49番木山議員。
◆49番(木山徳和議員) ありがとうございます。
再質問とまではいきませんけれども,最後の,今の,谷本局長のお話の中で,サンフレッチェが,今の状況からすれば,一番大きなのは,やはりどこへするかも大きいですけれども,それをつくるとなれば費用が要るわけですよ。その費用を,今,市民の皆さん方に,私たちに,私だけかもわかりません,ほかの人も恐らく言われると思いますけれども,やはり膨大な費用を出そうという,そういった提案されたそのサンフレッチェ側に,それを,使用をするから自分でそういうふうに実費でしようというその意見が出たものを,それをやはり検討しないというのは,もう非常に,東京のように非常に裕福な財政であるなら,そこであっても,ああいうちょっとした問題で大きくなっておりますけれども,しかし,広島においては,やっぱり最終的には,どこへ決めてもお金のかかることで,そのお金を,それを少しでも実費として出そうという,こういう,前の,マツダスタジアムのときには,そういうお話もなかったわけでありますけれども,ぜひとも,今の地方創生のそういう課題になってるときに,こんな話を,ありがとうございましたというふうに進めるのが普通だろうと思います。
ということで,これから先の分は総務委員会でさせていただきますので,終わります。
ありがとうございました。
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休憩宣告
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○永田雅紀 議長 この際,暫時休憩いたします。
午前11時18分休憩
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午後1時04分開議
出席議員 44名
欠席議員 10名
○沖宗正明 副議長 出席議員44名であります。
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開議宣告
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○沖宗正明 副議長 休憩前に引き続き会議を開き,一般質問を行います。
1番海徳裕志議員。
〔1番海徳裕志議員登壇〕(拍手)
◆1番(海徳裕志議員) 皆様,こんにちは。
広島市民クラブの海徳裕志です。会派を代表しまして一般質問をさせていただきます。
まずは,広島豪雨災害被災地の復興
まちづくりについてお尋ねします。
平成26年8月20日に発生した豪雨災害から,早いもので2年の月日が経過しました。私が住んでいる安佐南区の緑井地区や,隣町の八木地区では,相次いで発生した土石流により,多くのとうとい命が犠牲になるとともに,住みなれた家屋が失われるなど,これまでに経験したことのない甚大な被害が発生しました。
被災地では,流れてきた土砂に道路や河川が埋め尽くされ,住宅は押し潰され,大きな岩や木が散乱するなど,その凄惨な状況は現実とは受け入れがたく,誰もが唖然と立ち尽くしました。そのような状況の中で,被災された方々は,日々の生活を取り戻すために,気力を振り絞って必死に立ち上がりました。そして,ボランティアの方々の手も借りながら,土砂や瓦れきの撤去など復旧作業に取り組まれました。
あのときから2年が経過して,今では,被災当時の光景を思い起こさせるような場所は少なくなってきました。土石流が襲ってきた谷筋では,砂防堰堤が大きく,力強くそびえ立ち,復興のつち音が確実に響いています。
被災地では,愛する家族を失った悲しみや悔しさを忘れないため,また,地域の将来を担う子や孫の世代に二度と同じ経験をしてほしくないとの思いから,災害による犠牲者を追悼するとともに,災害の記憶を後世に伝えていくための記念碑や慰霊碑が地元の皆様の手によって設置されています。
先月の8月19日には,松井市長に,緑井第八公園の記念碑や梅林小学校の慰霊碑に献花をしていただきました。また,翌20日には,安佐南区民文化センターにおいて,県と市の合同で広島豪雨災害犠牲者追悼式が開催されました。
私も追悼式に参列し,犠牲になられた方々へ哀悼の意を表するとともに,再び,災害によってとうとい命が失われることがないよう,被災地の住民として,また,政治に携わる者の一人として,安全・安心に暮らせる
まちづくりの実現に向けて今後も邁進することを改めて誓ったところでございます。
現在,被災地では,砂防堰堤や避難路の整備など,復興事業が国,県,市の連携のもと進められています。砂防堰堤については,被災地の道路が狭く,工事をするのには大変厳しい条件の中,短期間で土地所有者と交渉され,山裾を切り開いて進入ルートを確保するなど,迅速な対応で整備を進めていただいております。
国土交通省の皆様には,改めて感謝申し上げるものです。
また,市が避難路として整備する都市計画道路長束八木線及び川の内線については,復興工事事務所で用地買収が進められています。復興工事事務所の職員の方々には,地権者への丁寧な説明とともに,地域の声にもしっかりと耳を傾けながら取り組んでいただいています。被災地において,日々,その姿を大きくしていく砂防堰堤は,土石流からふるさとを守る施設として,都市計画道路はいざというときの避難路であり,救助活動や復旧活動のための生命線になるような施設です。住民に安心感を与えるとともに,復興の大きな支えとなるこれらの施設整備について,今後もスピード感を持って着実に整備していただくことをいま一度お願いしたいと思います。
一方,被災地では,地域の皆様の自主的な活動も活発になってきました。このたび被災した緑井地区・八木地区は,古川を中心とした旧佐東町の
まちづくりに長年取り組んできた佐東地区
まちづくり協議会の歴史が示すように,かねてから住民主体の
まちづくりが盛んな地域です。この地域では,自主防災会を中心に,被災後,防災マップを作成,避難訓練を実施するなど,防災・減災に向けた活発な取り組みをされています。
また,被災地のきずなを深めるための取り組みとして,住民や地元企業,区内の小学校の参加により,8月20日の被災地をマリーゴールドの花でいっぱいにする絆花壇が整備されました。私もこの趣旨に賛同し,小学生が大切に育ててくれたマリーゴールドの苗を被災地に植えさせていただきました。
さらに,本年4月には,被災地の住民の方々が中心となって,八木三丁目に,復興交流館モンドラゴンを建設されました。被災地で暮らす人々や,被災によりふるさとを離れた人々が気軽に集まり,憩い,語らう場として活用されています。また,被災当時の写真や,避難場所などの情報が記載された防災マップを展示し,災害の教訓を後世に伝えるなど,防災・減災につながる活動をされています。
このように,被災地の住民の間では,豪雨災害から立ち上がり,安心して住み続けられるふるさとを取り戻すため,災害の経験を生かした新たな
まちづくりに向けた自主的な活動が活発に行われています。
特に,梅林学区においては,社会福祉協議会が中心となって,本年5月に梅林学区復興
まちづくり協議会が設立されました。広島市からコンサルタント派遣などの支援を受け,豪雨災害からの復興と,それを契機にした住民主体の復興
まちづくりプランの策定や,その推進を図り,災害に強い住みやすい
まちづくりの実現に取り組むこととしています。
同協議会の設立は,これからの
まちづくりに向けて大変意義深いものであると考えており,私もその趣旨に賛同し,顧問を引き受けさせていただきました。これからは,協議会顧問の役割を全力で務めていきたいと思っております。
今後,
まちづくり協議会では2年以内に復興
まちづくりプランを作成する予定としていますが,被災地においては,更地のままとなっている土地の活用や,新たな施設整備に伴う地域コミュニティーの再生が求められています。砂防堰堤や都市計画道路などの復興事業が進む中,地域の日常を支える身近な生活道路の改善や,住民同士のきずなを深める場としての公園などの整備は不十分なままであり,これから復興
まちづくりを進めていく上での課題だと考えております。
災害に強い安全・安心な
まちづくりが行われることはもちろんですが,地域の方々は,住みなれたコミュニティーの中で,将来に希望が持てる,明るいまちとなることを望んでおられます。
私としても,住民と行政がお互いの役割を補完し合い,災害から見事に復興したまちとして,全国のお手本となる
まちづくりが行われることを願っております。
そこでお尋ねします。
被災地には,早期復興に向けた基盤施設の整備が着々と進んでいます。今後,これらの施設整備を踏まえた活力のある
まちづくりを市と地元が一緒になって進めていく必要があると考えますが,市のお考えをお聞かせください。
次に,避難路となる都市計画道路の整備についてお尋ねします。
広島市が策定した復興
まちづくりビジョンには,災害発生から5年間を集中復興期間とし,防災・減災のための基盤施設の緊急整備に取り組み,その後5年間の継続復興期間で,引き続き,施設整備などを進めることが示されています。
このビジョンに掲げられている都市計画道路長束八木線及び川の内線の整備と,その地下への雨水渠の整備が完成すれば,急勾配で車の離合も困難な道路が多い緑井地区・八木地区において,土石流からの避難に有効な水平方向への避難経路が確保されます。また,これまで,八木用水に頼らざるを得なかった豪雨時の雨水の排水処理が抜本的に改善されることになります。加えて,JR可部線を立体交差する川の内線の高架区間が整備されれば,線路で分断されている被災地が国道54号線に直結され,交通の利便性が格段に向上することになります。災害時の避難路として,救助活動・復旧活動などいざというときのかなめとなる道路として大きな期待を寄せています。
しかしながら,この川の内線の高架区間については,継続復興期間で整備することとなっています。高架区間の整備効果はさきに述べたとおりですが,最長で10年間待たなければなりません。
そこでお尋ねします。
私としては,都市計画道路川の内線の高架区間の整備をできるだけ急いでほしいと考えておりますが,市のお考えをお聞かせください。
また,長束八木線については,整備延長2.8キロメートルのうち,当初5年間の集中復興期間では1.5キロメートルを整備することになっています。残る1.3キロメートル区間は,次の5年間の継続復興期間となりますが,この区間も整備されれば,緑井七丁目方面から八木六丁目までの整備が完了し,既に道路が整備されている別所団地の中を経由して,国道54号線につながることになります。
被災地の復興のため,今後の
まちづくりのために欠かせない道路整備であり,全区間が一日でも早く完成することを願っております。
そこでお尋ねします。
この長束八木線の継続復興期間で整備することとなっている区間も着実に進めてほしいと考えますが,市のお考えをお聞かせください。
次に,道路・街路整備についてお尋ねします。
都市計画道路長束八木線は,先ほど申し上げましたように,緑井地区・八木地区において,豪雨災害の復興事業としての整備が急ピッチで進められています。災害発生から5年間の集中復興期間と,その後5年間の継続復興期間を合わせた10年間で緑井七丁目から八木六丁目までの整備が行われることになっております。
一方で,この長束八木線は祇園地区においても継続的な整備が行われています。この祇園地区と大町地区の既に整備済みの区間がつながれば,緑井・大町方面から祇園方面へ向けた交通の利便性が大いに高まるものと思います。
このように,復興事業や祇園地区の整備が進んでいく中で,私が懸念しているのは,大町から北に位置する緑井四丁目地区の整備が取り残されることです。緑井地区・八木地区の中で,おおむね500メートルの距離を残すのみです。この地区内の道路は道幅が狭く,児童生徒の通学時にも危険な状況が見受けられ,心配しているところです。復興事業など,現在行われている事業に引き続いてこの区間が整備されると,大町方面から緑井地区・八木地区が幹線道路で直結されることになり,地域の防災機能はもとより,広域的な交通処理の機能も飛躍的に向上し,児童生徒の安全も確保できるものと考えております。
そこでお尋ねします。
都市計画道路長束八木線の緑井四丁目内の未整備区間の整備については,どのようにお考えでしょうか。市のお考えをお聞かせください。
次に,道路の交通安全対策です。
広島県警の資料を拝見したところ,昨年の広島県内における交通事故による死者数は,統計が残っている昭和23年以降では最少の95人となっており,そのうち,広島市内においては26人の方が亡くなっています。ちなみに,ことしの7月末現在では,県内で50人,市内で14人の方が亡くなっています。広島県内の交通事故は年々減少傾向ですが,いまだに,年間100人近い方が交通事故で亡くなっており,引き続き,交通死亡事故の削減に向けた対策が課題となっています。
交通事故を防止するためには,道路を通行する全ての人が交通ルールとマナーを守り,ゆとりと思いやりを持って行動することが必要です。広島県警は,「なくそう交通死亡事故・アンダー90作戦」などにより,事故防止に取り組まれております。広島市においても,交通安全の啓発活動や,交通安全施設の整備に取り組まれていると思います。この施設整備に当たっては,事故の発生を少しでも減らすような対策,工夫が必要だと考えます。
警察関係の方と意見交換をする機会がありましたが,警察が行う規制や取り締まりのほかに,道路管理者が行う路面標示が有効な対策になるという意見がありました。私が住んでいる安佐南区でも,カラー舗装された交差点や注意を促すような目立った表示を目にします。そのようなところでは注意しながら通ろうという意識が働いて,交通安全の効果を実感できました。このようなことは,少ない経費で十分な効果を上げることができるよい例だと思います。
そこでお尋ねします。
交通事故の発生が多い交差点付近などは,運転手が早く交差点を認識でき,速度の抑制が図れるようなカラー舗装やマーキングでの対策が有効だと考えます。広島市は,これまでにどのような対策を行ってきたのでしょうか。また,今後,積極的に対策を進めてほしいと思いますが,どのように取り組んでいくのか,市のお考えをお聞かせください。
次に,踏切の拡幅についてお尋ねします。
安佐南区のJR可部線緑井駅周辺は,山陽自動車道の広島インターチェンジと国道54号線の結節点であることから,市街地再開発事業などによって大型の商業施設が立ち並んでおり,広島市の広域的な都市機能を担う拠点の一つとなっています。この地域における交通機関としては,JR可部線の緑井駅があり,市内中心部への通勤・通学や,緑井駅周辺の買い物客などで,1日当たり約5,000人が緑井駅を利用していると聞いています。
私は緑井駅の近くに住んでいるので,毎日,緑井駅周辺の状況を自分自身の目で見ていますが,交通混雑など幾つかの問題があると思っています。
本日は,その中で,緑井駅の南側に隣接する毘沙門踏切の拡幅についてお尋ねします。
この毘沙門踏切は,緑井駅を利用する方や駅近隣の商業施設への買い物客などで,毎日多くの自動車や自転車,歩行者が通行しています。朝夕の通勤時間帯は特に利用者が多く,具体的には,安佐南区役所が平成27年7月に調査したデータによると,朝の6時30分から8時30分までの2時間で,車両が約400台,歩行者が約600人,夕方の5時から7時までの2時間で,車両が約1,000台,歩行者が約800人,それぞれ,この毘沙門踏切を通行しています。また,この路線はバス路線となっており,1日約90便のバスがこの毘沙門踏切を通行しています。
このように,多くのバスや自動車が通行する路線ですが,毘沙門踏切の幅員は約6メートルと非常に狭く,踏切内には歩道がないため,多くの自動車やバス,自転車に遠慮しながら,こわごわと歩行者がこの踏切を通行しているのが現状です。特に,お年寄りや小さな子供,そして,体が不自由な方などは非常に渡りづらいと感じておられると思います。なお,まれにではありますが,歩行者がやむを得ず線路内を歩行して横断しており,大変危険な状況です。
こうした状況の中,毘沙門踏切では,平成10年と平成21年に,歩行者と自動車の接触事故が発生しており,この状態が続けば,いつ新たな事故が起きてもおかしくありません。早急に毘沙門踏切の安全かつ円滑な通行を確保するための対策が必要であると考えます。
そこでお尋ねします。
緑井駅に隣接する毘沙門踏切を早急に拡幅していただきたいと思いますが,市のお考えをお聞かせください。
次に,広島市における幼児教育の取り組みについてお尋ねします。
私は,私の子供が幼稚園を卒園後も,広島市私立幼稚園PTA連合会の委員を務めています。その活動を通して,幼児期の教育がいかに大事であり,重要なものであるかということを強く感じているところです。
例えば,幼稚園の入園式で見る3歳児は,ずっとそばで支えてあげないとすぐに泣いてしまうような,本当にまだまだ小さく,幼い子だなと感じます。それが,卒園式での6歳児の姿は見違えるように強く,たくましく成長しており,しっかりと協調性や忍耐力を身につけています。
そのときに私は,幼稚園の3年間での子供たちの成長に大きな感動を覚え,大変うれしく思うとともに,幼児期の教育の大切さというものを改めて認識します。
幼児期の教育が,まさにその子の人生を左右すると言っても過言ではありません。次代を担う子供たち一人一人にとって質の高い幼児教育が大きな影響力を持っていることから,私は,幼児教育を担っている公立・私立の幼稚園の役割が一層高まっていると考えております。
そこでお尋ねします。
松井市長は,幼児教育の重要性をどのように認識されているのでしょうか。また,幼児教育の充実のためには,広島市の幼稚園や保育園などが,公立・私立,あるいは幼稚園・保育園などの垣根を超え,一体となって取り組む必要があると思いますが,今後どのような方向性で幼児教育の取り組みを進めていくのでしょうか。そのお考えをお聞かせください。
私は,幼児教育の充実,いわゆる,教育の質の向上に向けては,やはり教員の資質と能力の向上が最も重要だと考えております。
そこで,次の2点についてお尋ねします。
まず1点目は,教員の資質と能力の向上に向けた,幼稚園における教員研修のあり方についてです。
現在,公立幼稚園の新規採用教員の研修,いわゆる,初任研については,広島市教育委員会が実施主体となり,勤務する幼稚園における研修,いわゆる,園内研修を年間10日間程度,広島市教育センターにおける研修を,年間9日間程度実施されているとお聞きしました。年間10日間程度の園内研修については,広島市教育委員会から講師が派遣されており,新規採用教員に対する指導や助言が行われています。一方,私立幼稚園においても,新規採用教員の研修については,私立幼稚園協会が主体となり,創意工夫を生かした研修が行われるとともに,園ごとに園内研修が行われています。しかしながら,私立幼稚園の場合,優秀な人材確保にあわせ,研修に係る多額の経費からも,これ以上の充実を図っていくことは難しいと聞いています。
そこでお尋ねします。
私が今申し上げたような実情を踏まえ,公立幼稚園・私立幼稚園の教員の資質と能力の向上のために,どのようにして研修の充実を図っていくのか,教育委員会のお考えをお聞かせください。
2点目は,集団になじみにくい幼児への特別支援教育の充実と強化及び保護者支援の充実についてです。
近年,集団生活になじみにくい幼児が増加傾向にある中,特別な配慮を必要とする幼児の受け入れについては,各私立幼稚園において積極的に対応しておられ,教育の充実に向け,日々努力されていると聞いています。
しかしながら,子育て支援にかかわる保護者への対応は,その内容も複雑で多様化しています。子育てに関する相談に始まり,特別な配慮を必要とする子供の養育に関する指導や助言,そして,保護者自身のさまざまな悩みに関する相談,また,担任教諭や園に対する苦情や抗議なども含めると,件数も内容も本当に多岐にわたっています。
幼稚園教諭は,このような状況に対して,保護者の気持ちを受けとめながら,教諭としての専門性を生かして保護者支援を続けておられます。しかしながら,連日の保育業務にあわせ,これらの保護者支援を行うとなると,かなりの負担が生じています。
特別な配慮を必要とする子供への支援や保護者支援の現状を捉えると,もはや幼稚園教諭だけの対応では限界状態ではないでしょうか。
そこでお尋ねします。
特別な配慮を必要とする子供や保護者支援の充実に向け,公立小学校,中学校と同様に,公立や私立の幼稚園にも専門的なスタッフを配置してはどうかと考えますが,教育委員会のお考えをお聞かせください。
次に,要望をお伝えします。
先ほども申し上げましたとおり,幼稚園は次代を担う子供たちの大切な時期の教育を担っているところです。そして,広島市の幼稚園児の約9割は私立の幼稚園に通っており,私立幼稚園に依存しているのが実情です。公立幼稚園と比較して,私立幼稚園を利用する保護者の経済的負担は大きく,若い世代の家計に占める教育費の割合が高いことも少子化の原因の一つです。社会的にも,子育てにかかわる保護者の教育費の負担軽減を図ることが求められていると認識しております。
こうした中で,国においては,幼児教育の段階的無償化に向けた取り組みが行われています。完全な無償化を実現するためには多額な財源が必要となることから,かなり長期間の検討が行われることとなり,まだまだ道のりは遠いものと思います。
一方,全国的には,私学助成として,私立幼稚園に通う保護者の入園料や保育料の負担軽減のために,就園奨励費の補助金を各自治体が交付しています。国も,今年度から新たに多子世帯やひとり親世帯に対する負担軽減措置を実施するなど,少しずつ制度改正を行っていますが,補助金や補助対象は各自治体間で異なっております。
広島市の私立幼稚園に通っている園児の保護者は,この補助金の増額や,全ての保護者を対象として支給することについて,毎年,多くの署名を添えて広島市に要望していますが,願いがかなわない状況です。私も,私立幼稚園PTA連合会の委員として,平成24年から4年間連続して松井市長へ署名を届けております。
幼児を持つ保護者の思いを受けとめて,私立幼稚園に入園を希望する全ての幼児が就園しやすい環境をつくるためにも,今後,何らかの対応を検討していただきますよう,強く要望いたします。
最後に,皆様に私の気持ちをお伝えして終わりたいと思います。
昨年の9月の定例会の一般質問で,私は,広島豪雨災害からの復興について質問させていただきました。まだまだ真の復興に向けては道半ばでありますが,以来,多くの方からさまざまなお心遣いをいただき,心より感謝申し上げる次第です。
こうした災害においては,復旧・復興をスピード感を持って進めることがとても重要ですが,それとともに,未来にわたって,その経験を決して風化させることなく,つないでいかなくてはなりません。そして,本日は,多くの課題を抱えている子育て問題の中でも,特に広島市における幼児教育の取り組みについて質問させていただきました。子育てが安心してできる社会の実現こそが,未来に向けた真の安全・安心な
まちづくりに欠かせないと思います。広島豪雨災害からの復興同様,皆様と一緒に知恵を出し合って取り組んでいきたいと思います。
あの忘れ得ぬ災害から2年の時を経て,私たちのふるさとは,幼稚園や小学校から子供たちの歓声が聞こえています。子供たちの元気な姿ほど私たちを勇気づけるものはありません。
皆様と一緒によりよいふるさとづくりを進めていくことをお誓い申し上げ,私の質問を終わります。
御清聴いただきましてありがとうございました。(拍手)
○沖宗正明 副議長 市長。
〔松井一實市長登壇〕
◎松井一實 市長 海徳議員からの御質問にお答えします。
広島市における幼児教育の取り組みについての御質問がございました。
本市は,今後のグローバル化や少子化の進展といった国内外の社会環境の変化も踏まえながら,広島の子供たちが確かな学力,豊かな心,健やかな体,平和を希求する心,異文化への理解などの資質・能力を身につけ,心身ともにたくましく思いやりある人として,その可能性を最大限に発揮する教育へとさらに進化することを目指していきたいと考えております。
こうした力の基盤は,特に,幼児期における遊びや生活の中で,直接的・具体的な体験を通して育まれるものであり,この幼児期の教育は,子供が成長を遂げていくための生涯にわたる人格形成の基礎を培う,極めて重要なものであると認識しております。
この認識のもとで,本市では,幼児期の教育・保育を所掌する教育委員会とこども未来局が緊密に連携を図りながら,公立・私立の幼稚園,保育園,認定こども園等が,子供の成長への思いを共有し,一体となって広島ならではの幼児教育を推進していく所存であります。
このような思いから,私が設置し,招集する広島市総合教育会議の場において,昨年度から,教育委員の方々と幼児教育のあり方についての議論を重ねてきております。将来を見据えた幼児教育水準の向上や,受け入れ体制の充実を図る取り組みの方向性について,今年度策定いたします本市の教育大綱に盛り込んでいきたいと考えております。
その他の御質問については,関係局長から答弁いたします。
○沖宗正明 副議長 教育長。
◎尾形完治 教育長 引き続き,広島市における幼児教育の取り組みに関します2点の御質問にお答え申し上げます。
まず,これから幼児教育の充実に向けて取り組みを進めていく中で,公立・私立の幼稚園などの教員の資質・能力の向上のためにどのように研修の充実に取り組むのかの御質問でございます。
教育の成果は,その担い手である教員の資質・能力に負うところが大きく,特に,幼児教育において,教員は幼児のモデルとしてさまざまな役割を果たしており,幼児に与える影響も極めて大きいものと考えております。
こうした中,幼稚園等では若い世代の入れかわりが多く,経験に基づく知見が蓄積されにくい状況が見受けられます。また,預かり保育や子育ての支援など,教育課程以外の活動へのニーズの高まりから,研修時間を確保することが難しくなっている現状がございます。
このため,公立・私立の幼稚園教諭,保育教諭,保育士の資質・能力の向上に向け,文部科学省の幼児教育の推進体制構築事業を活用して,学識経験者,公立・私立の幼稚園,保育園の代表者で構成いたします,研修に関する連絡協議会を設置し,新規採用から経験年数に応じた研修体系の構築を図り,教員等の研修の充実に取り組んでまいります。
次に,特別な配慮を必要とする子供や保護者の支援の充実に向け,公立小・中と同様に,公立・私立の幼稚園にも専門的なスタッフを配置してはどうかの御質問でございます。
先ほど申し上げました幼児教育の推進体制構築事業を活用いたしまして,児童心理や特別支援教育等に関する専門的な知見を有する者を幼児教育アドバイザーとして位置づけ,各園へ派遣することといたしております。
この幼児教育アドバイザーは,各園を巡回訪問し,教員等に対しまして,特別な配慮を必要とする子供の実態に応じた適切な支援のあり方等についてアドバイスを行うとともに,保護者に対しても子育てに関する悩み等の相談に応じることといたしております。
以上でございます。
○沖宗正明 副議長
都市整備局長。
◎宮原慎
都市整備局長 広島豪雨災害の被災地の復興
まちづくりについて,3点の質問がございました。順次お答えをいたします。
まず,被災地では,基盤施設の整備が進んでいると。今後,これらの施設整備を踏まえた,活力ある
まちづくりを市と地元が一体となって進めていく必要があると考える。市の考えを伺いたいということでございます。
被災地の復興につきましては,災害に強い安全なまちによみがえらせるとともに,地域の皆様が安心して暮らせるようにするため,国や広島県と連携して,砂防堰堤や避難路等の基盤施設の整備に全力を挙げて取り組んでいるところでございます。
一方,災害発生から2年が経過した現在では,住民の方々におかれましても,災害という逆境を乗り越えられ,地域を再生するための
まちづくりに関する取り組みを積極的に進められております。
特に,安佐南区の梅林学区及び安佐北区の新建自治会では復興
まちづくり協議会が設立され,行政が実施している基盤施設の整備を踏まえて,復興
まちづくりプランの作成に取り組まれております。
現在,本市では,こうした協議会に対してコンサルタントを派遣するとともに,職員も参画して運営をサポートするなど,復興
まちづくりプラン作成の取り組みを支援しているところでございます。
これまでの地域の話し合いの中では,
まちづくりの課題として,生活道路等の改善,更地を活用したコミュニティー活動の場や,避難時の一時集合場所の確保などの意見が出されております。
このような課題を解決するための復興
まちづくりプランについて,その作成の取り組みを引き続き支援するとともに,本市として取り組むべき課題については,地域の皆様と十分に対話を重ねながら,その意向を酌み取り,課題解決に向けてしっかりと取り組んでまいります。
次に,都市計画道路川の内線の高架区間の整備を急ぐ必要があると考えるが,市の考えはということでございます。
復興
まちづくりビジョンでは,都市計画道路川の内線の高架区間については,議員御指摘のように,災害発生から5年間と定めた集中復興期間の後の継続復興期間で整備する予定としております。これは,喫緊の課題である,豪雨時に山から流れる雨水の処理を最優先に取り組むため,まずは,集中復興期間内に川の内線の地下へ雨水渠を整備することとしたものでございます。雨水渠の整備にあわせて平面街路を整備し,引き続いて,継続復興期間に高架区間を整備することとしております。
JR可部線を立体交差する高架部を整備することで,川の内線が国道54号と直結され,線路で分断されている被災地域の安全性や利便性が大きく向上するものと考えております。
したがいまして,集中復興期間の工事を着実に行うとともに,次の高架区間の工事に係る事業認可手続等の諸準備を遅滞なく進め,速やかに事業着手できるよう取り組んでまいります。
最後に,都市計画道路長束八木線のうち,継続復興期間で整備することとしている区間も着実に進めてほしいと考えると。市の考えをということでございます。
復興
まちづくりビジョンでは,都市計画道路長束八木線については,安佐南区緑井七丁目から同区八木六丁目までの延長2.8キロメートルの区間を整備することとし,このうち,緑井八丁目から八木四丁目までの延長1.5キロメートルの区間を,災害発生から5年間の集中復興期間で実施することとしております。
これは,先ほど答弁させていただきました川の内線の高架区間の整備と同様に,豪雨時に山から流れる雨水の処理を最優先に取り組むため,まずは,長束八木線の地下へ雨水渠を整備することとしている1.5キロメートルの区間を集中復興期間内に整備し,残る1.3キロメートルの区間は,次の継続復興期間に整備する計画としたものでございます。
議員御指摘のように,継続復興期間に実施する1.3キロメートルの区間が整備されれば,緑井七丁目から八木六丁目の別所団地を経由して国道54号に直結され,被災地域の安全性や利便性が大きく向上するものと考えております。
したがいまして,集中復興期間で整備する1.5キロメートルの区間の整備を着実に行うとともに,残る1.3キロメートルの区間の事業認可手続等の諸準備を遅滞なく進め,速やかに事業着手できるよう取り組んでまいります。
以上でございます。
○沖宗正明 副議長
道路交通局長。
◎向井隆一
道路交通局長 道路・街路の整備について,3点の御質問に順次お答えをいたします。
まず,都市計画道路長束八木線の緑井四丁目内の未整備区間の整備についてどのように考えているかについてでございます。
都市計画道路長束八木線のうち,安佐南区の緑井七丁目から八木六丁目までの区間は,集中及び継続復興期間において整備することといたしております。また,祇園地区においては,大型ショッピングセンター付近の整備に引き続き,今後,大町地区に向けた区間の整備に着手する予定にしております。
これらの区間の整備が全て完了いたしますと,祇園地区から八木地区までの約7.3キロメートルのうち,ほぼ中間にございます緑井四丁目地区内の約0.5キロメートルだけが未整備となり,この区間を整備いたしますと,祇園地区から八木地区が連続してつながり,広域的な交通機能が向上するものと考えております。
こうしたことから,緑井四丁目地区内の整備につきましては,現在,整備を進めることとしております区間の進捗状況を踏まえ,着手時期を検討いたします。
次に,道路の交通安全対策について,事故の発生が多い交差点付近などでどのような対策を行っているのか。また,今後,積極的に対策を進めてほしいがどうかについてでございます。
議員御指摘のとおり,カラー舗装やマーキングなどの路面標示は,運転者に対して視覚的な注意喚起を行い,速度の抑制を図ることができるため,交通事故の防止に有効であると認識をいたしております。
本市では,これまでに,道幅の狭い生活道路が交差する,わかりにくい交差点において,交差点の中心に十字やT字のクロスマークなどの設置や,交差点の手前のカーブにカラー舗装を行うなど,出会い頭による衝突事故や,交差点を横断中の歩行者等との事故の防止対策を行っております。
今後も,道路利用者の安全性が確保できますよう,交通管理者である県警と連携をいたしながら,こうした取り組みを積極的に進めてまいります。
最後に,毘沙門踏切を早急に拡幅すべきと思うがどうかについてでございます。
毘沙門踏切を含みます緑井駅から長束八木線までの約300メートルの区間は,駅を利用される方を初めとして,多くの自動車,自転車,歩行者などが通行されていますが,連続した歩道がないことから,両側に約2.5メートルの歩道を設置し,現況幅員約6メートルの市道を12メートルに拡幅する事業を進めております。
このうち,特に毘沙門踏切は,遮断機が上がった後に,横断待ちの車両と人が集中して通行いたしますが,議員御指摘のとおり歩道がなく,危険な状況であるため,踏切の前後約50メートルの区間につきまして,先行して拡幅整備を行うよう取り組んでおります。
これまでに,この区間の北側用地の一部を取得していますが,引き続き,残る用地の取得に鋭意努めるとともに,JR西日本との踏切拡幅の実施に向けた協議を進め,できるだけ早期に毘沙門踏切の拡幅整備が完了するよう取り組んでまいります。
以上でございます。
○沖宗正明 副議長 1番。
◆1番(海徳裕志議員) 松井市長を初め理事者の皆様には,前向きな御答弁をいただきましてありがとうございます。
3点ほど要望させていただきます。
まず一つ目は,広島豪雨災害被災地の復興についてですが,スピード感を持って進めていただきたいと思います。特に,長束八木線と川の内線については,復興期間内で確実に,一日も早く完成していただくようお願いいたします。
二つ目は,毘沙門踏切の拡幅についてです。こうしている間にも,日々,危険な状況が続いております。早く毘沙門踏切の拡幅に取り組んでいただくようお願いいたします。
そして,最後に,幼児教育の取り組みです。子育てが安心してできる社会の実現こそ,未来に向けた
まちづくりでは欠かせないと考えております。広島市の幼稚園児の約9割が私立幼稚園に通っているという現実に対して,広島市の支援を強く要望いたします。
以上で質問を終わります。
ありがとうございました。
○沖宗正明 副議長 次に,11番森野貴雅議員。
〔11番森野貴雅議員登壇〕(拍手)
◆11番(森野貴雅議員) お疲れさまです。
広島維新の会の森野貴雅です。早いもので,初当選直後に一般質問をさせていただきましてから1年以上が経過いたしました。今回は,議員としてこの1年で私が経験させていただいたことを踏まえて質問させていただきます。この機会を与えてくださったことに感謝申し上げ,質問に入らせていただきます。
広島東洋カープが25年ぶりの優勝を決めました。前回の優勝時,私は小学生だったので,本当に長い月日がたったのだなと感慨深く思いました。この25年間,優勝できないカープを支え続けた広島市民の熱意の持続は,広島東洋カープがこの広島にとってなくてはならない,文化と呼べるところまで深く根差していたことに起因するものだと,そのように思っています。
その広島カープと並び,広島市民の大事な資産であるサンフレッチェ広島。今はまだカープに比べると歴史が浅いことから,カープほどの熱狂を生んだとは言えないかもわかりませんけれども,昨年も年間優勝を決め,広島の町に感動をもたらしてくれました。同じ育成型の球団として,広島にチームも選手も根差して活躍しているさまを見ると,夢の器があれば,さらに大幅にファン層を拡大できるポテンシャルを持っていると私は思います。
その夢の器となる新スタジアムの建設の話が,いまだ決着がつきません。この問題につきましては,既に諸先輩議員の方々から質問があり,重複もございますけれども,私自身も思いがありますし,大事な広島市の課題でありますので,その,今までの経緯を振り返りながら質問をさせていただこうと思います。
2013年6月に,市,県,商工会議所,県サッカー協会がサッカースタジアム検討協議会を設置し,都合19回,1年半にわたり,かんかんがくがくの議論を経て,旧広島市民球場跡地と広島みなと公園の2案に絞り,市,県,商工会議所で構成する作業部会にて比較検討を行っていましたが,サッカースタジアムの主たる使用者になる予定のサンフレッチェ広島が,広島みなと公園ではサンフレッチェ広島は使用する予定がないと表明し,旧広島市民球場跡地にサッカースタジアムを建設する,ヒロシマ・ピース・メモリアル・スタジアム案を本年3月3日に公表されました。
これを受けて,年度内に候補地を決めるとしてきた市,県,商工会議所がその決定を先延ばしにしました。このことから,旧広島市民球場跡地ではなく,優位とされてきたみなと公園で候補地を決めようとされてきたのであろうと,私はそのように推測いたします。
その後,サンフレッチェ広島の久保会長は,松井市長,湯崎広島県知事,深山商工会議所会頭との4者会談を望み,その3者は,事務レベルでのすり合わせが必要として,すれ違いが続いていましたけれども,8月10日にようやく4者会談が実現いたしました。
この経緯からして,多くの広島市民がこの2案のどちらかにするか,その結論を出すための4者会談であると思われていたと思うわけですけれども,そこで出た結論は,検討協議会で示されたほかの案も含めて再検討するというものでした。そして,9月14日の会合において,中央公園自由芝生広場が第三の候補地として加えられたと報道されています。
この中央公園自由芝生広場案を再検討することについては,旧広島市民球場をサッカースタジアムにと推していた方々からも評価はさまざまであるという印象です。平和を世界にアピールするためのスタジアムとして,州都を目指す中四国の中枢都市広島のにぎわいの象徴として,あくまで,旧広島市民球場跡地がベストだという意見もあれば,このままこの問題が動かないということであれば,早期建設のためには中央公園もいいのではないかという意見もあります。
私自身,サッカースタジアムの早期建設を強く望んでおりますが,中央公園を再検討することに決めた理由が明確でなければ,中央公園案が早期建設の最善案となり得ないと,そのように思います。
サッカースタジアム検討協議会において議論されたとき,今と同じ立地条件の中で,旧市民球場跡地と広島みなと公園を選び,中央公園を候補から外したわけです。
検討協議会で中央公園が外されたのは,敷地が南北に短いために,南北に長いことが好ましいとするサッカースタジアム建設において不向きであること。すぐ隣の敷地に市営住宅,県営住宅があり,歓声などの騒音に対する苦情が懸念されることであったと理解しています。
つまり,旧広島市民球場跡地と同じように市内中心部に近く,みなと公園と同じように広い敷地を擁していると,2案の有利な面を,中央公園は,どちらも一部持っている場所ではあると思いますけれども,その利点がそのまま当てはまるわけではありませんし,2案にはないさまざまな諸課題があるということが検討協議会で示され,そして,候補地から外されたわけです。その中央公園が,旧広島市民球場跡地とみなと公園案では結論が出ないからと,今また候補地として加えられたのは,市民に対する十分な説明が必要であろうと思います。
これまでの経緯も踏まえて,なぜ中央公園が候補地として再検討されるのかお答えください。
確認のため,検討協議会において,中央公園が候補地から外された理由もあわせてお答えください。
さらに,候補地を加えた状況においても,広島市は,みなと公園が優位とする以前からの立場にお変わりないでしょうか,お答えください。
次の質問に移ります。
今は,広島東洋カープの優勝で広島中が沸いていますけれども,ことしは,世界的に広島が注目される大きな出来事がありました。米国の現職大統領であるオバマ氏の広島訪問です。
5月27日のオバマ大統領の広島訪問と,その際に行われた広島演説により,改めて,広島市が核兵器廃絶を語る上で世界的な発信力を持つことが示されました。
昨年の私の一般質問でも言及させていただきましたが,オバマ大統領の被爆地訪問を呼びかけ続けた広島市の姿勢が実を結んだ瞬間でもあったように思います。オバマ大統領の演説は,さまざまな政治的制約がある中で,詩的な表現で核兵器廃絶を呼びかけたことは,現職米国大統領という立場を鑑みると,最善の方法であったのではないかと思います。
それより何より,私が一番感動したのは,核に対して,そして,平和に対してさまざまな考え方があり,議論となる中で,多くの広島市民が,好意的に今回のオバマ大統領訪問を捉えておられたことです。このことは一広島市民として非常に誇りに思います。
しかし,それでもやはり核や平和についてはさまざまな議論があるのが現状です。その中で,平和都市ヒロシマは今後何を訴え続けていくのか。私は,やはり市民の日常のひとときが一発の原子爆弾で一瞬にして消えてしまった,この圧倒的で悲惨な現実を風化させることなく後世に伝え続けていく,このことに尽きると思います。
このたび,平和記念資料館の大規模改修で,原爆投下前の広島市民の営みを展示するスペースを多くとるという話を聞いています。原爆が日常を一瞬で灰にした現実を表現する上でよい取り組みであると,そのように思います。また,私は,圧倒的で悲惨な現実を共有できる地域との連携をもっと強化していくべきだと,そのように思っております。
今月,自民党・保守クラブの有志の方々とともに,アウシュビッツ・ビルケナウ強制収容所や,チェルノブイリの原発事故の現場を視察に行きました。どちらも,その現場が持つ迫力,遺品や資料の濃密さに息が詰まる思いがいたしました。
チェルノブイリでは,事故が発生した4号機発電所の前まで行くことができました。ガイドの方から,放射能を大量に浴びているので,土を手でさわらないようになどの注意事項を聞いたことや,老朽化した石棺のかわりとして,今まさに新石棺が建設中である様子を見て,チェルノブイリが事故から30年たった今も,現在進行形の事故現場であることを痛感いたしました。
午後2時25分散会
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議 長 永 田 雅 紀
副議長 沖 宗 正 明
署名者 木 戸 経 康
署名者 米 津 欣 子...